「会議の議事録や長いメール、Web記事を読むのが大変…」
「ChatGPTに要約を頼んだけど、なんだかピンとこない…」
そんな経験ありませんか？
実はそれ、AIへの指示の出し方が原因かもしれません。「300字で要約して」と文字数だけ伝えても、AIは「誰が」「何のために」その要約を読むのかが分かっていないのです。だから、大事な部分が抜けていたり、的外れな内容になったりします。
この記事を読めば、AIの性能を最大限に引き出す「賢い要約」の指示方法が分かります。
明日からあなたの情報収集や資料作成が劇的にラクになる、具体的なテクニックをご紹介します。
結論
結論。
AIに賢く要約してもらう一番のコツは、「読み手」と「目的」をハッキリと伝えることです。
なぜなら、AIは人間と違って「空気を読む」ことが苦手だからです。
ただ「要約して」とだけ言われると、どの情報が重要なのか判断できず、文章全体をまんべんなく薄めたような内容を返してしまいます。
例えば、同じ会議の議事録でも、
- 営業部長が知りたいのは「決定事項と次のアクション」
- 経理担当者が知りたいのは「予算に関する話」
このように、読み手や目的によって、注目すべきポイントは全く異なりますよね。
この「背景」をAIに教えてあげることで、AIはようやく、あなたの意図を汲んだ要約ができるようになるのです。
実践
では、具体的にどう指示すれば良いのでしょうか？
いつもの「〇文字で」「箇条書きで」という指示に、以下の3つの要素を付け加えるだけで、AIの回答は劇的に変わります。
1. 「視点」を指定する
誰の視点で文章を読んでほしいのか、AIに「役割」を与えてみましょう。
これにより、AIは特定の人物になりきって、その人にとって重要な情報をピックアップしてくれます。
- 悪い例: この議事録を要約して。
- 良い例: あなたは営業部長です。この議事録の中から、営業活動に関わる決定事項と、担当者別のTODOを要約してください。
このように「〇〇の立場で」と一言加えるだけで、情報の取捨選択の精度がグッと上がります。
【使えるフレーズ例】
- 広報担当者の立場で、プレスリリースとして発表できる部分をまとめて。
- プロジェクトリーダーの立場で、課題と解決策を整理して。
- 新入社員の立場で、理解しておくべき専門用語をリストアップして。
2. 「目的」を伝える
その要約を、あなたが「何に使うのか」を教えてあげましょう。
目的が分かると、AIはアウトプットの形式や言葉のトーンまで調整してくれるようになります。
- 悪い例: この記事を300字でまとめて。
- 良い例: 上司への報告メールで使うため、この記事の要点を300字でまとめて。結論から先に書く形式でお願いします。
要約を使うシーンを伝えることで、より実用的な答えが返ってきやすくなります。
【使えるフレーズ例】
- SNSで発信するために、この記事の内容を140字以内でキャッチーに要約して。
- 会議で議論するために、この資料のメリットとデメリットを比較してまとめて。
- 同僚に共有するために、このメールの背景とお願いしたいことを簡潔にまとめて。
3. 「形式」を工夫する
「箇条書きで」という指示も便利ですが、もう一歩踏み込んで、アウトプットの「形」を指定してみましょう。
これにより、要約された情報を後から自分で整理する手間が省けます。
- 悪い例: この文章を箇条書きで要約して。
- 良い例: この文章について、「問題点」「原因」「解決策」の3つの項目に分けて、それぞれ箇条書きで要約してください。
欲しい情報の「枠」を先に決めてあげるイメージです。
AIはその枠を埋めるように情報を整理してくれるので、非常に分かりやすくなります。
【使えるフレーズ例】
- 時系列で、何が起こったかまとめて。
- メリットとデメリットに分けて整理して。
- Q&A形式で、想定される質問と回答をまとめて。
【応用】コピペで使える！シーン別・賢い要約プロンプト（指示文）集
最後に、具体的なシーンでそのまま使える指示文のテンプレートをご紹介します。
[ここに対象の文章を貼り付け] の部分に、あなたが要約したい文章を貼り付けて使ってください。
シーン1：会議の議事録を上司に報告したい
あなたは私の部下です。
以下の議事録を、私が3分で内容を把握できるように、次の形式で要約してください。
# 報告
・会議の結論
（ここに結論を簡潔に記載）
・決定事項リスト
・（決定事項1）
・（決定事項2）
・確認事項・ToDo
・〇〇さん：△△を□□までに対応
# 対象の議事録
[ここに対象の文章を貼り付け]
シーン2：長いニュース記事の要点を同僚に共有したい
以下の記事について、ITに詳しくない同僚にも分かるように、専門用語を避けて要点をまとめてください。
# 共有したいこと
このニュースで一番大事なことは何ですか？（一言で）
# 背景
なぜそれが今、話題になっているのですか？
# 私たちへの影響
私たちの仕事に、何か関係ありますか？
# 元の記事
[ここに対象の文章を貼り付け]
まとめ
最後に改めてこの記事のポイントをお伝えします。
AIに賢く要約してもらうには、ただ「要約して」と頼むだけでは不十分です。
いつもの指示に、たった一言「背景」を付け加えることが何よりも重要です。
- Point1: 「視点」を伝える→ 「営業部長の立場で」「新入社員として」など、誰になりきってほしいか指定する。
- Point2: 「目的」を伝える→ 「上司への報告に使うため」「SNSで発信するため」など、何に使うか教える。
- Point3: 「形式」を工夫する→ 「問題点と解決策に分けて」「メリット・デメリット形式で」など、アウトプットの形を決める。
AIは、あなたが与える情報が多いほど、賢く、気の利いたアシスタントになってくれます。
ぜひ、今日からこの「追加の一言」を試してみてください。あなたの仕事がもっと速く、もっとラクになるはずです。
